外来を受診される方 手、肘の病気・けが(手、肘の外傷)

手、肘の病気・けが(手、肘の外傷)

担当グループ

手の外科グループ

診療時間

毎週月曜日 午後

診療する主な疾患

母指CM関節症 、手根不安定症、変形性手関節症(carpal instability, SLAC)、デュプイトレン拘縮(Dupuytren's contracture)、母指靱帯損傷、骨壊死(キーンベック病;Kienböck's diseaseなど)、舟状骨偽関節 、三角線維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)、屈筋腱損傷 、手の先天異常(多指症、合指症など)、関節リウマチに伴う手の障害 、肘離断性骨軟骨炎(野球肘)、手の骨軟骨欠損など

手、肘の外傷

橈骨遠位端骨折

手関節の骨折で、スポーツなどで怪我をする若年者から、背景に骨粗鬆症が潜む高齢者の骨折という二つの面があります。ある程度の変形は許容されますが、転位(ずれ)が大きい場合、関節内骨折の場合は手術加療が必要となることも多いです。
手術方法の現在の主流は掌側からのLocking plate固定で、通常は2週間程度で手関節を動かし始めることができます。

舟状骨骨折

手根骨と呼ばれる骨の一つである舟状骨の骨折です。症状に乏しく捻挫などに間違えられることもしばしばありますが、そのままでは偽関節と呼ばれる骨が治らない状態になってしまいます。早期に発見されギプス固定された、ズレが1mmに満たない骨折でさえ、1割が偽関節になるとされる骨折で、手術となることが多いです。固定はheadless canulated screwを用いた固定が主流です。転位が少ないものは経皮的に数mmの切開で、転位があるものでも2-3cmの皮膚切開で手術を行います。

舟状骨偽関節

先の舟状骨骨折が、骨癒合しなかった状態です。放置していると軟骨の磨耗をきたし、変形性手関節症と呼ばれる状態へ進行します。原則的に手術加療が適応となりますが、骨癒合は容易でなく、骨移植、時に血管柄付き骨移植までが必要となることがあります。

母指靱帯損傷

スキーで転倒時ストックに親指(母指)をひっかける、といった怪我で母指MP関節の靱帯が切れてしまうことがあります。
母指は物をつまんだり握ったりといった時に必要な指なので靱帯の損傷により関節が不安定になると痛みに加えて力も入らなくなります。特に、MP関節尺側(人差し指側)の靱帯(Ulnar-collateral ligament; UCL)が完全に切れた場合には副木などで固定していてもきちんと治らないことも多く手術が必要になることがあります。怪我から時間が余り経っていない場合には靱帯を縫合することが可能ですが、数ヶ月以上経ってしまってからは靱帯を作り直す(再建する)必要があります。靱帯の再建には、体の他の部分から腱などをとってきて靱帯の代わりにさせます。靱帯を縫合した場合も、再建した場合も術後1-2ヶ月の間関節を動かないように保護した後でリハビリをしていきます。

舟状月状骨解離(舟状月状骨間靭帯損傷)

新鮮例は靭帯修復が可能なこともありますが、その多くは橈骨遠位端骨折などの他の外傷に合併したもので、陳旧化してから発見されます。放置すると変形性関節症に至ると言われており、手術加療が勧められます。
陳旧化している場合は靭帯修復はできないことが多く、手関節の他の腱・靭帯を用いる再建術が選択されます。

肘関節脱臼(骨折)

肘の脱臼は靭帯や関節包などが損傷して生じます。また、同時に骨折を伴うことも少なくありません。脱臼、骨折、いずれにおいても肘の外傷後は、早期運動が関節機能保持のためには肝心と言われており、手術を必要とすることもあります。陳旧化して繰り返す脱臼などの際は、他の部位から腱を採取し、新たな靭帯として再建を行うこともあります。
高齢者の重症骨折などでは、骨の脆さなどから固定を諦め、人工関節置換術を一期的に行うこともあります。

骨軟骨欠損

事故で関節の一部がなくなってしまった場合、その指や腕は動きが悪くなり痛みがあるためとても使いにくくなります。一方で、関節を覆っている軟骨はほとんど再生しない組織なのでこのように損傷した関節を元通りにすることは非常に困難です。しかし、欠損した部分に軟骨と骨を一塊として移植することで関節の機能がある程度残せることがあります。
ここでは肋軟骨移植を紹介します。肋骨は胸の前の部分で硬い骨から関節の表面に近い肋軟骨に移行します。この境目で骨と軟骨をとってきて、怪我などで欠損した部分に移植するという方法です。
また、事故だけでなくいわゆる野球肘といわれる肘の離断性骨軟骨炎でも大きな関節面の欠損が生じることもあり、その場合にも肋軟骨を移植することも可能です。

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