外来を受診される方 股関節の病気(特発性大腿骨頭壊死症)
- 東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科
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股関節の病気(特発性大腿骨頭壊死症)
担当グループ
股関節グループ
診療時間
毎週木曜日 午後
診療する主な疾患
変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症、臼蓋形成不全症
特発性大腿骨頭壊死症
概要
大腿骨頭が部分的に壊死に陥り体重がかかる部分が潰れたり(圧潰)、変形がおきる病気です。壊死とは骨組織が死んで脆くなった状態です。
なんらかの理由で大腿骨頭の血流が低下することで骨の壊死がおきると考えられていますが正確なメカニズムはまだ解明されていません。ステロイドという薬の大量投与、大量の飲酒が主な誘因として考えられていますが、何の誘因もなく発症する人もいます。
通常、症状は股関節の痛みですが腰痛、殿部痛、膝痛として自覚されることもあります。壊死が発生しただけでは自覚症状はありません。自覚症状は骨頭の圧潰が生じたときに出現します。壊死の発生から自覚症状が出現するまでには数ヶ月から数年の時間差があります。
治療
検査は単純X線、MRI、CT、骨シンチグラムなどが用いられます。
発症初期の状態は単純X線では確認が難しいことがあります。MRIは早期診断や壊死の局在を調べるのに有用です。
保存療法
壊死の大きさや位置から症状の進行が少ないと判断された場合は杖歩行による免荷、体重のコントロール、筋肉トレーニング、鎮痛剤の内服などの保存療法の適応です。
手術療法
関節温存手術 (大腿骨内反骨切り術、大腿骨頭回転骨切り術)
人工関節置換術(変形性股関節症と人工股関節全置換術を参照)
自覚症状があり圧潰の進行が予想されるときは手術療法の適応となります。関節温存手術を第一に考えますが、壊死の範囲が広い場合や圧潰が進行している場合、高齢者には人工関節全置換術が選択されます。