整形外科について 膝・スポーツ診

グループ概要

膝スポーツ診では、下肢のスポーツ障害・外傷に対する関節鏡手術や変形性膝関節症に対する人工関節手術を数多く行っています。研究としては膝関節のバイオメカニクス研究やスポーツ障害・外傷の予防研究などを行っています。

スタッフのご紹介

診療実績

膝前十字靱帯損傷に対する前十字靱帯再建術

解剖学的前十字靭帯再建術の関節鏡画像
ナビゲーション(左)モニター上の3次元骨モデル(右)

膝前十字靱帯損傷は頻度の高い膝のスポーツ外傷の1つで、スポーツ活動中の急な減速や着地動作の失敗、相手選手との接触による膝の外反強制によって受傷します。保存的治療では治癒は見込めず、手術的治療を要することがほとんどです。手術は自家腱(骨付き膝蓋腱または膝屈筋腱)を大腿骨および脛骨に作製した骨孔を通して移植する前十字靱帯再建術を行います。移植する腱は、競技種目や膝関節の状態と患者さんのご希望を聞いて選択します。手術後にはリハビリテーションを行い、筋力の回復にもよりますが、術後8~9ヵ月での復帰を目指します。

当院では膝前十字靱帯再建術をコンピュータ支援下に行うことが可能です。これは術中に撮像した透視画像とナビゲーションコンピュータとを同期させることで、骨孔作製位置を関節鏡だけでなく、コンピュータモニター上でも確認できる技術です。ナビゲーションを用いることで、正確で再現性のある骨孔を安全に作製できます。特に、再断裂に対する再再建手術や、複合靱帯損傷に対する複数の靱帯再建の際には、前回手術の骨孔や他の靱帯再建の骨孔、内固定材(スクリューなど)との干渉をさけることができ、非常に有用な技術です。

半月板損傷および反復性膝蓋骨脱臼に対する治療

内側半月板縫合術の関節鏡画像
反復性膝蓋骨脱臼術前後のCT像:膝蓋骨の外側亜脱臼(左)が靭帯再建手術と脛骨粗面移行術により整復されています(右)

半月板は膝関節において荷重分散、衝撃吸収などの機能を担っており、外側と内側に1つずつ存在しています。半月板が損傷するとスポーツ中の膝関節痛、ひっかかり感、関節に水がたまるなどの症状を呈します。症状が軽い場合は、大腿四頭筋の筋力トレーニングなどの保存治療を行いますが、保存療法で改善がない場合やロッキング症状をきたした場合は手術を行います。従来、損傷半月板の関節鏡下部分切除術が行われてきましたが、術後の変形性膝関節症への進行などを防ぐため、現在はできるだけ半月板を温存・修復する術式を行っています。

膝蓋骨脱臼は単純な怪我ではなく、骨の形態や全身の関節の弛緩性、筋力などの先天性・解剖学的な素因に外傷などの環境因子が加わり発症します。そのため、個々の患者さんの持っている素因に応じた治療が必要になります。初めて脱臼した場合は、保存的に治療しますが、脱臼を繰り返す反復性脱臼や膝関節を一定の角度にすると外れてしまう習慣性脱臼の場合の多くでは手術が必要になります。脱臼予防に重要な内側膝蓋大腿靱帯の再建術や骨形態へアプローチする脛骨粗面移行術、また外側解離術などを組み合わせて治療します。

ナビゲーションシステムを用いた正確な人工膝関節手術~患者さんの幅広いニーズに対応しています~

ナビゲーションシステムによる骨切り角度および下肢アライメントの確認
単顆置換術(UKA)(左)および前十字靱帯温存型TKAの術後写真(中央)と 手術風景(右)

保存療法(鎮痛剤、装具、関節注射)が無効な変形性膝関節症、膝関節骨壊死症に対して人工膝関節置換手術(全置換術、部分置換術)や骨切り術を積極的に行っています。全症例に対しコンピューターナビゲーションシステムを用いるため、従来法に比べて正確な骨切りやインプラントの設置が可能で、術者間によるばらつきの少ない精密な手術を得意としています。ナビゲーションの利用により、高度の変形を有する患者さんや、再置換が必要な患者さんなどの難易度の高い手術にも幅広く対応が可能です。

また患者さんの術前の状態や術後に求める生活レベルを詳細に伺い、それに合わせた手術方法の選択(単顆置換術(UKA)、二顆置換術(Bi-KA)、全置換術(TKA)等)、使用インプラント選択(前十字靱帯温存型TKAを含む)を行っています。術後の疼痛管理に力を入れており、手術後に患者さんがスムーズにリハビリテーションに移行できるよう適切な鎮痛薬使用や皮膚切開にも工夫しています。患者さんの術後の満足度が年々上昇していることが術後に行わせていただいているアンケート調査からも確認されています。

ナビゲーションシステム、2D/3D registration techniqueを用いた動態解析の研究

手術中はナビゲーションシステムを用いて骨切り量、インプラント設置角度、人工関節の術中動態を詳細に記録しています。インプラントごとの特性や動作ごとの特性を踏まえてこれらのデータが術後成績へ与える影響などについて解析を行っています。また手術後にはX線透視画像とCT画像を用いた2D/3D registration techniqueを用いた動態解析を行い、手術で設置したインプラントが日常生活動作(階段昇降、屈伸動作、正座、あぐらなど)において実際どのような動きをしているかを詳細に解析しています。これらのデータをもとに正常に近い理想的な膝の動きを獲得できる人工膝関節手術を追求しています。

術後動態撮影の様子(右)と作成した3Dモデル(左)

スポーツ障害・外傷の病態解明と予防研究とスポーツに対するメディカルサポート

膝スポーツ診では東京大学スポーツ先端科学研究拠点のプロジェクトとして、スポーツ選手の障害・外傷予防のための研究を行っています。スポーツ選手の医科学情報(身体組成・筋力・筋量・バランス力・心理的競技力・身体の使い方・筋の柔軟性・関節弛緩性など)を計測し、発症するスポーツ障害・外傷を分析することで、どのような選手にどのような怪我が起こりやすいのかの分析を行っています。本プロジェクトはリハビリテーション部、情報理工学系研究科などの協力のもと人工知能などの最新技術も用いながら分野横断的に行っています。

東京大学整形外科はアスリートに対するメディカルサポートを行っています。日本オリンピック協会、サッカー日本代表の各カテゴリー、サッカーJリーグ、バレーボール日本代表の各カテゴリー、バスケットボール日本代表、アメリカンフットボールXリーグ、日本陸上連盟、東京大学をはじめとする各大学の運動会・体育会の運動部、様々なスポーツの社会人チームなどのチームドクター・帯同ドクター・メディカルアドバイザーを膝スポーツ診メンバーから派遣しています。

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