整形外科について 脊椎・脊髄診

グループ概要

我々は一般的な脊椎手術のみならず、内視鏡を用いた低侵襲脊椎手術などの最先端の技術を駆使した治療や、小児の脊柱変形、高齢者の変性側弯症に対する矯正骨切り術など困難な症例も、ナビゲーション技術や神経モニタリングなどの支援により安全性を最大限に高め、積極的に治療を行っています

スタッフのご紹介

診療実績

頚椎疾患(頚椎症、靱帯骨化症、リウマチ、後弯症など)

当科では歴史的に頚椎の手術を多く手掛けてきており、全脊椎手術における頚椎手術の割合が比較的高いことが特徴です。1980年頃に黒川髙秀名誉教授が考案した棘突起縦割式椎弓形成術(いわゆる拡大術)は国内外に広く普及し、現在でも頚髄症に対する手術治療の中核を担います。1990年代後半からいち早く術中ナビゲーションシステムを導入し、2012年からは当科で考案した正中進入内視鏡下椎弓切除術も行っております。
後縦靭帯骨化症は原因不明の難病ですが、病態を解明すべく基礎研究から臨床研究まで広く取り組んできました。手術のタイミングを逃さないことは重要ですが、一方で経過観察中に悪化しない症例も多く、一例ずつ治療法を検討しております。その他、首たれなどの頚椎後弯症、リウマチ、頚髄腫瘍など、ほぼ全ての疾患に対し治療を行っております。術中ナビゲーション、脊髄電位モニタリングなどを用い、安全性に配慮していることは言うまでもありません。
積み重ねた成果を国内外の学会や論文で多数発表してきました。豊富な経験を下に確実な診断と治療法を提供したいと考えております。

側弯症・脊柱変形など

側弯症とは冠状面(正面から見た時)での背骨の弯曲とのことを言います。矢状面(横から見た時)の背骨のアラインメントも問題となることが多いため、広く『脊柱変形』として取り扱っています。当科では、乳幼児から高齢者まで、また保存療法(装具療法や薬物療法)から手術療法まで広く行っています。
小児の特発性側弯症では外来での装具療法が基本となりますが、適応があれば運動療法を勧めることもあります。またコブ角が40°~50°を超えた進行例では手術を行っています。10歳未満の症例で装具療法でのコントロールが困難な場合にはグローイングロッド手術などの成長温存手術を行うこともあります。また中高年者の変性側弯症の方や最近急増している圧迫骨折後の後弯症(併せて“成人脊柱変形”といいます)の症例に対しても全身状態などをよく評価した上で適応があれば手術を行っています。その他、当院ではマルファン外来を開設しているため、マルファン症候群の側弯症症例も多く診療しています。また脳性麻痺などの重度障害児の側弯症や筋ジストロフィーに伴う側弯症なども積極的に診療しています。詳細はこちらのファイルをご参照ください。

脊椎内視鏡手術などの低侵襲手術

内視鏡を用いて神経の圧迫を取り除くことができるようになりました。傷が小さいだけでなく筋肉を温存することができ、出血や術後の痛みが少なく、翌日には歩行できます。インプラントを用いないことも最大のメリットと言えます。腰部脊柱管狭窄症、脊髄の圧迫が2椎間までの頚髄症などが対象となりますが、特に早期職場復帰・スポーツ再開を目指す方、高齢の患者さんに最適です。一方、腰椎すべり症や圧迫骨折などの患者さんでインプラントを用いて固定術を要する場合には、極力筋層を温存した低侵襲手術を行うようにしております。術前の神経学的高位診断、画像診断、術中のモニタリングなどを駆使して最大限の効果が得られるよう努めており、これまでに輸血をした患者さんはおりません。一方、何でもかんでも低侵襲であれば良いというわけではありません。低侵襲手術の適応を見極めて治療することが肝要であり、豊富な経験の下に症例ごとに医師と患者さんの間で相談して決めております。
写真は頚椎症に対する内視鏡下椎弓切除術(傷は16 mm)および腰椎すべり症に対する内視鏡支援下椎体間固定術(複数の小さい傷を用いて手術)です。

脊髄腫瘍・脊椎腫瘍など

脊髄腫瘍は、脊椎の中を通る脊髄の周囲にできる腫瘍です。硬膜外腫瘍、硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍にわけられ、私達は硬膜外腫瘍と硬膜内髄外腫瘍の治療を行っています。腫瘍の種類としては、神経鞘腫や髄膜腫が多く、他にも嚢腫性病変(クモ膜嚢腫や神経腸管嚢腫など)、腫瘍ではありませんが脊髄ヘルニアや脊髄係留症候群など稀な疾患の外科的治療も行っています。
脊椎腫瘍は体を支える背骨にできた腫瘍です。良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられ、手術治療が必要となるのはおもに悪性とそれに準ずる腫瘍です。さまざまな肉腫や脊索腫、骨巨細胞腫などが多いです。これらに対して、当科腫瘍グループや放射線科などと合同会議を行い、化学療法・放射線・手術を組み合わせて患者さんに最適の治療が提供できる体制を整えています。手術は低侵襲な経皮的脊椎固定術や骨セメントによる椎体形成から侵襲の大きな腫瘍切除あるいは腫瘍脊椎骨全摘術(TES)、外科と合同で行う臓器合併切除など、あらゆる手術に対応しております。手術の際には、脊髄モニタリング、ナビゲーション、顕微鏡、術中CTなど最新の手術機器を用いて、安全かつ高度な治療が提供できるように心がけております。

特定非営利活動法人 東大脊椎グループ(通称UTSG)

従来、当教室脊椎・脊髄診とその関係研修施設では、それぞれに独立して診療・研究を行ってきましたが、これらの施設での診療実績を統一したデータベースを構築する事により、診療の質を検証してコントロールすることができるようになります。そこで私たちは「脊椎の疾患」に関する研究の促進と、啓発活動を目的として東京大学整形外科脊椎グループの連携を高めるため、特定非営利活動法人「東大脊椎グループ」(通称UTSG)を2018年に発足致しました。
例えば単一施設では検証困難な臨床研究を、多施設研究として推進することが世界的な標準になりつつある中、東京大学整形外科脊椎グループとしての重要な社会貢献が可能となります。また学会、論文等を通じて得られた知見を社会に還元し、また互いの知識を高め合う事により、診療の質を担保し、より良い医療を届ける事が可能になると考えております。
当法人の活動にご賛同いただける賛助会員を募集しております。また、個人や企業・団体など幅広い方々からのご寄付を随時受け付けております。詳細はこちらのファイルをご参照ください。

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